薬剤師さんが在宅に?
どうも、昔は福祉の世界にいたことがあるゾロゾロです。
今回は、薬剤師さんの世界でも注目が集まっている在宅に関する話をしたいと思います。
調剤報酬で在宅の要件がとても重要になってきた昨今ですが、慌てて在宅に対する意識を向けた薬剤師さん、多いのではないでしょうか?
しかし、この在宅への薬剤師さんのアプローチ。
ブログなどを見ても、いかがなものかな、と思うことが多々あります。
在宅と介護保健の世界とは、切っても切れない関係にあります。
しかし、薬剤師さんの中で介護保険とそのサービスを知識として知っている方、どれだけいますか?
簡単ところで、ケアマネの仕事を書きますね。
ケアマネは、利用者(患者ではなく介護保険の世界では利用者と呼びます)と会い、その人に最適なケアプランを作成するのが仕事です。
ヘルパーさんを週何回使うか、デイサービス、デイケア、ショートステイ、訪問看護、福祉用具のレンタル、小規模多機能の活用etc…。
さらに状況に合わせて施設へ入れるか入れないか。
どの施設に入れるか、などを考えるのがケアマネの仕事であり、「ケアプラン」を作ります。
それは、例えれば医師が出す「処方箋」と同じものでしょう。
ですので、各事業者の皆様方はケアマネのところにこぞって営業に向かいます。
ヘルパー1つとっても、「うちの事業所から使ってください」と、営業をかけるのです。
それこそ、パンフレトを作り、サービスの内容を説明したり、どの業者様も必死です。
薬剤師の皆様、そこまでやっていますか?
ケアマネのところに行って、私たちは在宅でこれだけのことができます、ですから医師のところに行って在宅をやるように言ってくれませんか?
そうやってパンフレットを広げて、営業されている薬剤師さん。
いらっしゃいますか?
僕は薬剤師さんのブログで、在宅への取り組みを見ることがあります。
でも、ちょっと厳しいことを言えば「在宅、舐めてるの?」と言いたくなる時もあります。
実際、経験を生かしてケアマネの方に薬剤師の先生が在宅(介護保険を使った)をやりたがっていますが、ニーズはありますか?と、聞いたことがあります。
しかし、回答はこうでした。
「薬を飲ませるだけなら、ヘルパーさんに頼んだ方がいい。あの人たちはきちっとやってくれるから信頼している」
「わからないことは、訪問看護師の方に聞く。医療のプロだし利用者さんと触れ合っているから信頼できる」
「お薬カレンダーなんかは自分たちでやる。介護用品の業者に頼む。介護保険枠を使ってまで、薬剤師に頼む仕事ではない」
これは、本当にリアルな意見です。
逆に言えば、上記程度の仕事しか出来ないのであれば、薬剤師さんの存在意義はないのです(ボランティアでやるのなら、話は別ですが)。
だって、介護保険でその枠を使うなら他のところに使った方が利用者さんのためになるんですもん。
服薬指導と言えば聞こえはいいですが、それはケアマネさんがヘルパーさんに頼んで出来ることも多いです。
それこそ、ヘルパーさん向けの講習会でもやれば良いのですが、報酬にならないそれをやる薬剤師さん、います?
こんな意見に対して薬剤師さんは「飲み残しや、飲み忘れで過剰投与になっている患者はどうするんだ!?」と、言われるかもしれません。
でも、これも訪問看護師の方々がすでに取り組みを始めています。
ですから、福祉の世界、それも在宅の世界を経験した僕の視点からだと在宅の薬剤師さんの存在価値、それほど高くないです。
需要があるとすればひとつだけです。
「処方提案」
患者さんの住居の状態や、服薬アドヒアランス、副作用の発現状況、それに伴なう「最適な処方」を医師に提言できる薬剤師さん。
そこに、「介護保険」を使う価値があると思います。
もちろん、そこは最後の砦です。
しかし、その最後の砦に対して何もできない薬剤師さんは必要ありません。
もし、ハードルが高いという薬剤師さんがいたとします。
僕が言う言葉は一つだけです。
「在宅、甘く見てません?」
以上、福祉を経験したゾロゾロの独り言でした。